エアアジアとレガシーキャリアのエコノミークラス比較
LCC(格安航空会社)の飛行機は、狭くて寒くて食事も不味くて最悪。そんな悪い口コミをよく見ます。
普段からANAやJALといったレガシーキャリアしか乗っていない人にとってLCCを利用するというのは恐怖でしかないと思いますが、本当にLCCのフライトは最悪なのか、スカイトラックス(Skytrax)社が選出するベストLCCに15年連続で選ばれているエアアジアと、普通のフルサービスキャリアのエコノミークラスに実際に乗って比較してみました!
怖いけど安いからLCCを利用してみようかなと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
エアアジア vs シンガポール航空
今回比較するエコノミークラスのフライトは、エアアジアXの中距離路線の機材「A330」(日本⇔クアラルンプール)と、シンガポールのフラッグシップキャリア、シンガポール航空の機材「B787-10」(日本⇔シンガポール)。どちらも6時間ほどの東南アジア方面・中距離路線の比較となります。
シンガポール航空はこれまで「ワールド・ベスト・エアライン」(世界最高のエアライン評価)に5回も選ばれ、2024年も世界2位に格付けされているという世界屈指の航空会社の一つ。
そしてエアアジアは15年連続でワールド・ベスト・LCCに選ばれている航空会社なので、シンガポール航空とエアアジアの比較は、言ってみればレガシーキャリアの最高峰とLCCの最高峰を比較することになるわけです。
座席の広さや快適性、機内食、そして機内サービスなどなど、本当にLCCはレガシーキャリアのそれには叶わないのか、実際に両者のエコノミークラスに搭乗して比べてみたいと思います。
座席の広さ・快適さ
まずはエコノミークラスの座席の広さと快適さの比較。「LCCの座席は狭い」とはよく言われますが、約6時間の東南アジアまでの中距離フライトを狭い座席で耐えるのはなかなか大変。本当にレガシーキャリアと比較して差が分かるほど狭いのか、実際に見てみたいと思います。
シンガポール航空エコノミークラスの座席
こちらはシンガポール航空のB787-10 エコノミークラスの座席です。フルサービスキャリアだけあって、座席には腰枕とブランケットのアメニティも備わっているし、映画などが見える個人モニターも付いて、USB充電も備わっているので申し分ない快適さです。
座席の広さは、横幅17.5インチ(約44.5cm)、シートピッチは32インチ(約81.3cm)となっています。
機内の温度はフライト中少し肌寒く感じることもありますが、ブランケットを掛けておけば凌げるので問題ありません。
エアアジアX エコノミークラスの座席
エアアジアX A330のエコノミークラスの座席がこちらになります。LCCなのでブランケットなどのアメニティは全て有料です。また個人モニターも付いていないので機内で時間を潰すためには、スマホにゲームや映画などを事前に用意しておく必要があり、充電設備も無いので自分で携帯バッテリーの用意も必要となります。
座席の広さは、横幅16.5インチ(約42cm)、シートピッチは32インチ(約81.3cm)となっています。レガシーキャリアのものと比較すると、縦のシートピッチは同じで、横幅が1インチ(約2.5cm)狭くなっているので、人によっては少し狭く感じる場合もあるかもしれませんね。
しかし、隣の席とを隔てる肘掛けはゴツめになっているので、実際に座ってみると隣席との距離感がある感じになり、逆に広いと錯覚するかもしれません。
機内の温度は、実はフライトによって様々で、恐ろしく寒く感じることもあれば、それほど寒く感じないこともあります。しかしどちらにせよ、エアアジアに乗る場合は、寒さに備えてウルトラライトダウンジャケットなどの上着の用意は必要となります。
機内食
続いては機内食の比較です。フルサービスキャリアの場合、機内食は時間になれば無料で提供されますが、LCCはオプションの有料サービスとなっています。
またフルサービスキャリアはエコノミークラスの場合は、だいたい2種類のメニューからどちらかを選択するといったスタイルになりますが、LCCの場合は数種類の中から、自分の好みのメニューを好きなように選んで購入できるので、お金を出す分、選ぶ楽しみなどは大きいと言えます。
シンガポール航空の機内食
ではまずはシンガポール航空のエコノミークラスの機内食から。実は、フルサービスキャリアの機内食というのは、その航空会社が独自に作って用意しているわけではなく、出発空港近くのケータリング会社が作って納品していることがほとんど。
そのため、日本発のフライトの機内食は、日本人の口によく合って美味しく感じるものが多く、逆に海外発のフライトの機内食は、日本人の口に合わず不味いことが多いです。
シンガポール航空の機内食も同じで、日本発のフライトの機内食はだいたい美味しいですし、シンガポール発になるとだいたい不味いのです🥲
しかし、食事中の飲み物はアルコール飲料も無料で飲めるし、食後にはコーヒーや紅茶の飲み物に加え、デザートとしてアイスクリームの提供もあったりするので、満足度としては非常に高いものになります。
エアアジアの機内食
一方、エアアジアの機内食は有料で、事前予約、もしくは機内販売にて購入することが出来ます。支払いは現金(マレーシアリンギット)、およびクレジットカード(VISA / MASTER)が利用可能です。
料金は1プレートあたり1,500円前後が相場となってきますが、味については実は選ぶメニューによって当たり外れが大きいです。またメニュー内容も、ナシレマやサテー、ビリヤニといった東南アジア料理がメインで、スパイシーなものも多いため、辛いのが苦手な人や東南アジア料理が苦手な人にとっては少々BADな機内食になるかもしれません。
なお、メニューにはカップラーメン系のものも置かれているので、そういったものを頼むと当たりハズレが少なく、無難に楽しめるかもしれません。
エアアジアの機内食の味の感想については、スパイシーでクセのある東南アジア料理がどちらかというと好きな私(モリオ)的には◯(マル)、パクチーや辛いものが嫌いなミヅキ的には×(バツ)な感じです。
機内サービス
エアアジアとレガシーキャリアのエコノミークラス比較の最後は、機内サービスです。イメージ的にはレガシーキャリアのCAさんは優しくてサービス精神も高く、LCCのCAさんは冷たい…という、不確かな偏見があると思いますが、本当はどうなのか実際に体験してみて評価してみたいと思います。
シンガポール航空の機内サービス
まずはシンガポール航空の機内サービスについて。シンガポール航空は機内食の前から、おつまみのナッツや飲み物の提供があったり、食後にもコーヒーや紅茶、アイスクリームのサービスがあったりして、サービスは概ね良い印象を受けます。
またCAさんの印象も、海外らしく付かず離れず程よい距離間で接してくれるのもいいですね。また日本発着のフライトでは日本人乗務員も数名搭乗するため、英語ができなくても安心です。
エアアジアXの機内サービス
続いてエアアジアの機内サービスですが、飲み物や食事は全て有料ではありますが、逆にお金を払っている分、気持ち良くサービスを提供してくれます。
またエアアジアのCAさんはフレンドリーで気さくな人が多いのも特徴です。日本発着のフライトでは日本人乗務員も1~2名搭乗していますが、基本的には英語でのやり取りが基本になります。
そのため英語に抵抗がある人の場合は、このエアアジアの機内サービスの印象はそれほど良いとは感じないかもしれませんが、私達的にはCAさんのサービス精神はレガシーキャリアのそれに近いものを感じます。
エアアジアとレガシーキャリアのエコノミークラス比較まとめ
エアアジアとレガシーキャリアのエコノミークラスを実際に比較してみた結果、エアアジアはLCCなのに想像以上に快適なフライトが楽しめるということが分かりました。
LCCは座席の狭さがよく話題になりますが、こうした6時間ほどの中距離路線の場合は、レガシーキャリアと同じような座席のスペックが用意されているので、我慢できないほど狭くて耐えられないといった状況はありません。
ただ、やはりLCCということでアメニティや機内食はすべて有料となってしまうのはネックなところ。飛行機の機内の寒さ対策はもちろん、飲水も有料でしか手に入らないので、そのあたりをちゃんと把握したうえで、お得にエアアジアのフライトを使いこなしていきたいところです。
このエアアジアとレガシーキャリアのエコノミークラス比較が、次の旅行の参考になれば幸いです。それでは!
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