京都・真言宗御室派の総本山「仁和寺」
ユネスコ世界遺産にも登録されている、京都の穴場観光スポット「仁和寺」を観光レポート!このお寺は、真言宗御室派の総本山でもあり、敷地内には国宝の「金堂」、重要文化財の「五重塔」「御影堂」「観音堂」など様々な重要文化財を持つ、平安時代の仁和4年(西暦888年)に建造された歴史深いお寺だ。
また「仁和寺 / にんなじ」春の季節には、遅咲きの御室桜(おむろざくら)の名所としても知られる観光スポット。そんな仁和寺に、私達はソメイヨシノが満開の頃に訪れたので、その時の様子などを実体験レポートしたいと思う。なお、今回の訪問では、運良くなんと!年に2回、寺内の「霊宝館」で春と秋に公開されている、仁和寺が保有する国宝や文化財を一般公開している「霊宝館春 季名宝展」も開催されていたので、そちらも紹介していきたいと思う。
仁和寺の場所
世界遺産である京都・仁和寺の場所は、京都市右京区御室という、京都市内の中心部から、少し北西に行った場所にある。京都でもトップクラスで有名な「金閣寺」とは約2kmほどの距離であり、金閣寺からも歩いて30分ほど掛ければたどり着くこともできる。
ベルトラなどで販売されている観光バスのツアーを利用するのもいいだろう。
仁和寺の駐車場
仁和寺の敷地の隣には、普通車100台、バス12台が停められる駐車場も完備している。営業時間は9時〜17時。料金は時間制でなく、1回利用で普通車500円、バス2,000円の料金設定。時間を気にせず停めておけるので、車で訪れても落ち着いて観光できるのが嬉しい。
しかし、この仁和寺は、知る人ぞ知る人気の観光地なので、週末や祭日のお昼すぎ頃には、駐車スペースが無いことも予想されるので、もしも混み合う時期に仁和寺に車で訪れたい場合は、午前中を狙うなど工夫をすると快適に駐車場を使うことができる。
東門入ってすぐの仁和寺の風景
さて、私達も家から車で仁和寺までやってきたので、駐車場に車を置いて、駐車場にほど近い東門から仁和寺の構内へと入る。私達が訪れた時期は、京都でソメイヨシノが満開を迎える4月はじめ。仁和寺の構内でも見事なソメイヨシノが、美しい桜の風景を奏でている。
仁和寺構内の御室会館は宿泊可能
仁和寺の構内、南東には「御室会館」という施設が設けられている。実はこの御室会館は、各種イベントで使われている他に、宿泊施設の機能も備えており、じゃらんなどの宿泊ホテル予約サイトを使えば、この世界遺産である仁和寺の中で滞在することもできる他、ベルトラでは、期間限定で宿泊+朝のお勤め体験がセットになった観光アクティビティも用意されているなど、面白い仁和寺の宿泊体験も用意されている。
仁和寺の敷地内マップ
さてここで、仁和寺の全体マップを紹介しておこう。今、私達が立っている場所は、東門から入った「現在地」の場所にいる。マップの水色で塗った部分は、入場料金 / 拝観料無しで入ることができるパブリックエリアとなっている。
仁和寺の敷地の上半分、中心部である国宝「金堂」から、五重塔、御室桜、御影堂などのあるエリアは、通常であれば無料で入場することができるが、この仁和寺の名物でもある遅咲きの「御室桜」が見頃を迎える春の時期だけは、入場には伽藍特別入山料として拝観料が必要となる。
また、「御殿」はいつでも拝観料が必要で、霊宝館に関しては春と秋の「季名宝展」が開催されている時のみ入場料を払っての入場が可能となっている。霊宝館では、仁和寺が持っている国宝などの貴重な宝物を観覧できるのだが、写真撮影は一切禁止となっているので注意しよう。
仁和寺の中央へ
砂利道を、仁和寺の中心へと歩いていく。小道の両脇には、京都の定番のお土産物を売っている露天もあったりして、ちょっとしたお祭り的な雰囲気も楽しめる。
仁和寺の拝観料金について
仁和寺の中央の通りに出ると、端のほうにチケットブースが用意されている。ここで必要なチケットを購入して中に入る。料金は下の表を参照。なお、支払いは「現金のみ」なので気をつけよう。こういう支払いをクレジットカードも可能にしてくれると、外国人観光客にとってもありがたいと思うのだが、こういう観光スポットでの日本のキャッシュレス化はまだまだ進んでいない。
ちなみに、春の御室桜のシーズンでは、チケットブース横におむろ桜の開花状況を示す案内も表示されている。ソメイヨシノが散り始めた頃に御室桜は満開を迎えるのだが、今年は3月終わりから4月にかけて寒い日が続いたため、御室桜の開花状況も結構遅めのようだ。なお、御室桜の開花状況は仁和寺の本サイト、もしくは仁和寺公式Twitterでもチェックできるので、御室桜が目当ての場合は、まずはネットで開花状況を確認してから訪れるといいだろう。
チケットと案内パンフレット
料金を支払うと、チケットと仁和寺に関する案内パンフレットをいただける。私達が購入したのは、桜、御殿、霊宝館の全てに入場可能な通しのチケット、一人1,300円。この仁和寺を訪れたことがない場合は見どころもかなり多いお寺なので、観光時間に余裕がある場合は、この通しのチケットを購入するのがおすすめだ。
「御殿」の観光へ
仁和寺で、まず私達が観光に訪れたのは、正門である仁和寺の仁王門をくぐってすぐにある「御殿」/ 拝観は有料。ここには簡素な美を追求した「南庭」と、池を配した晴れやかな「北庭」という対照的な2つのお庭を見ることができる他、宸殿、白書院、黒書院という建物内には、著名な日本画家「堂本 印象」によって描かれた襖絵などを見ることができる。
ちなみに、この御殿の「宸殿」は近世初期に皇居・常御殿を移築して建てられたものであったが、明治20年(1887年)に焼失してしまい、現在の建物は明治〜大正にかけて亀岡末吉の設計により再建されたものとなっている。
入ってすぐの見事な松の木
御殿の入り口、本坊表門(重要文化財)を入ってすぐの場所には、この見事な松の木が生えている。この地面すれすれに広がる松の葉には、なみなみならぬ趣が感じられて見事だ。ここはまだ入場無料の領域になっている。
大玄関で靴を脱ぐ
本坊表門を奥に進むと大玄関があらわれる。ここから先は土足厳禁となっており、入場者は用意されている袋に靴を入れて入場することになる。またこの時にチケットのチェックが行われ、チケットにはスタンプが押される。
お土産が売られている
御殿の屋内に入ってすぐの場所では、お土産物も多数売られている。
御朱印ブース
お土産を売っている横では、御朱印を書いてもらえるブースも用意されている。少し時間が掛かるので、申し込んだら、ゆっくり御殿を拝観して帰ってくればいいだろう。
御殿の通路を歩く
では、私達も御殿の奥へと進んでいこう。これは、最初の「大玄関」から「白書院」へと続く通路。床は木張りとなっており、壁の四角く区切られた窓枠からは、風情のある日本庭園が広がっている。この四角い窓枠というのは、風景を額に入った絵画のように愛でることができる。この伝統的な日本家屋の計算されつくされた優美な世界観は「見事」だ。
貴重な歴史物の展示
白書院エリアへ。ここでは、各部屋の襖絵から、歴史的に貴重な展示物が飾られている。また、各部屋では展示物や建物自体に関する説明も記載されているので、日本史が好きな人はじっくり読んで楽しもう。
仁和寺は華道「御室流」のはじまり
また、白書院にはいけばなが飾られている部屋もある。生花の場所には「御室流(おむろりゅう)」の文字。仁和寺は、初代門跡である第59代宇多天皇(寛平法皇)により建造されたお寺であるが、宇多天皇は文芸にも秀でており、宇多天皇を流祖と尊崇し現在も受け継がれている華道流派が華道「御室流」である。
さて、この仁和寺には「御室流の華道」や「御室桜」と、「御室」という冠が付いたものが多く存在しているが、それは皇室出身者が代々住職(門跡)を務めたお寺であったため、このような「御室」という冠が付いているのだ。
初公開の特別拝観
さて、今回私達が訪れた2019年4月は、仁和寺・御殿の「宸殿」の檜皮葺きの葺き替え工事が行われている関係で、特別に御殿の「北庭」と「南庭」のはじめての試みとなる特別拝観が行われており、入場者は、この板間を歩いて、普段とは異なる場所からお庭を見学することができるようになっていた。(御殿内 北庭・南庭の特別拝観は2019年12月31日まで)
今写真で見えているのは白書院と宸殿に囲まれた「南庭」で、こんな風に、ゲストが歩いてお庭の中央まで行って、そこからこのお庭の全体を眺めることができる、というわけだ。
お庭の中央から見る「南庭」
こちらがお庭中央から見る南庭の風景。南庭はシンプルにデザインされた素朴さ、というか日本の美学である禅のミニマル感が伝わってくる、非常に清々しいお庭の風景になっている。
北庭・南庭の特別拝観は今年一杯まで!
お庭の中心から宸殿を見た風景がこちら。こんなに間近に南庭を見る機会は今年一杯。京都を訪れる機会があれば、ぜひこの南庭の真中から、この風景を眺めてほしいと思う。
宸殿から黒書院へ
南庭を見終えた私達は、渡り廊下を歩いて「北庭」を望む黒書院へと向かう。
細工扉
渡り廊下の端などにも、このように彫り絵の細工が施された木の扉なども見ることができる。ちゅうか、この仁和寺の御殿の建築は、いたるところに様々な細工や絵が施されていて非常に見ごたえがある。
襖戸の向こう
黒書院に到着。ここでも、白書院同様、襖絵が見所となっている。この襖戸の向こうには、鈍く黄金に光るような襖絵の気配。
黒書院の襖絵
その黒書院の襖絵がこちら。おぼろげな照明に照らし出された、まさに鈍い黄金色の襖絵が私達の目を捉える。襖絵の中に描かれた雲模様は、まるで外から木漏れ日が差し込んだかのような雰囲気。そして部屋一面を囲むように、ストーリーを物語るかのような襖絵が描かれている。
TV番組の放映
別の部屋では、大型のテレビを使った仁和寺のTV番組の放映も行われていて、やってきたゲストは腰を据えて、真剣にこの仁和寺の番組に見入っていた。
間近で見る仁和寺「北庭」
その臨時の板間から間近で見る北庭の景色がこちら。手前の池には鯉が泳いでいるが、残念ながら向こうの方に集まってしまっていてこっちには来てくれない(笑)。池の向こうには「霊明殿」の建物の姿。
黒書院と霊明殿を結ぶ廊下
臨時の板間を戻り、今度は黒書院と霊明殿を結ぶ渡り廊下を、霊明殿の方へと進む。ここの渡り廊下も緑が非常に美しく見応えがある。
渡り廊下からの「北庭」
その渡り廊下からの「北庭」の風景がこちら。何気にここからの北庭の景色のほうが、さっきの特別拝観の板間の風景よりも風情があって良かったりする。
閼伽棚(あかだな)
通路の脇には「閼伽棚(あかだな)」と呼ばれる、仏様への供え物を作ったり置いたりする棚も設けられている。
霊明殿
御殿の区画の一番奥にあたる「霊明殿」。この建物も屋根は檜皮葺となっている。内側には仏壇が備わっている。この霊明殿の前のお庭も、日本庭園らしい趣があって非常に見事だ。
檜皮葺の葺き替え
さて、この御殿の区画全体に渡り、現在檜皮葺の葺き替え工事が行われているが、実はこの檜皮を一般奉納として、一口3,000円(大きいものは一口5,000円)でお寺に奉納することができる。その時に、その檜皮に供養や祈願を添えることができるので、興味がある人は、入り口のカウンターに行ってみよう。
御殿の中庭
御殿の中には、ちょっと座って中庭を眺められる場所も用意されている。見たところ、この中庭に植えられているのは紅葉(もみじ)なので、秋の季節には見事な紅葉を楽しむことができるはずだ。
御殿を離れる
かなり長居してしまったが、そろそろ仁和寺の御殿を後にしよう。入ってきた時と同様、出口では、この立派な松の木がゲストを見送ってくれる。
伊藤園さんの「おーいお茶」?
さて、もうすぐお昼ごろ。仁和寺の中央エリアには何やら緑色の仮設テントが建てられて、何かの準備が行われている。「おーいお茶」のブース?売ってるのかなぁ?今ちょっと花粉症が酷いので、ちょうどいいのでここでお茶を買って薬飲んどこう。
モリオ:「これ、売ってるんですか?」
スタッフ:「いえ、もう少ししたら無料配布致します♪」
モリオ:「え!?タダなんですか!」
スタッフ:「はい♪」
タダという言葉に弱い私達(笑)。どうやら、この桜の時期である今日、伊藤園さんがスペシャルイベントとして、仁和寺にやってきた人に、ここで無料でお茶を配るのだとか。また、一部では新元号「令和」のスペシャルパッケージが用意されているとか。
この仁和寺は、霊宝館にて「令和」の出典、万葉集注釈(江戸時代)も展示されていたり、また2019年4月30日には「退位の礼 今上天皇感謝法要」、2019年5月1日には「即位の礼 天皇即位慶祝法要」が行われるなど、何かと皇室と新元号にゆかりの深い場所。こうして民間レベルでも、こういった新元号を祝う催し物が行われているようだ。それにしても、イベントのある日に訪れられたのはラッキーだなぁ♪
100個限定のお菓子もある
また、今回の伊藤園さんのイベントでは、この時用に特別に用意した和菓子屋・亀屋重久さんの100個限定のお菓子「おむろ / 麩焼煎餅」も用意されていた。そのお菓子と一緒に、私達も記念写真を一枚。また、この会場には日本の名所などを雑誌で紹介している「Discover Japan / ディスカバー・ジャパン」さんの取材も来ていて、私達も何枚か写真を撮ってもらうことに。雑誌に載ったら嬉しいなぁ・・・なんて。
仁和寺の境内(伽藍)へ
それでは、いよいよ仁和寺の中門を越えて境内(伽藍)へと入っていこう。ここから先は、通常は無料で拝観することができるのだが、桜の咲く春のシーズンだけは特別拝観料が必要となる。
ソメイヨシノは満開
中門前のソメイヨシノはほぼ満開を迎え、一番の見頃を迎えている。日本人の心に深く染みるこの淡く儚いソメイヨシノの桜色。やはりいつ見てもきれいだなぁ。
中門(重要文化財)
こちらが仁和寺の中央を隔てる中門。この時代を感じさせる桜色の木造建築は、色合いも非常に渋くて思わず見入ってしまう。向かって左側に西方天、右側に東方天を安置する門である。
境内には売店も設置されている
中門を中に入ると、おみくじやお土産、缶ジュース(自動販売機)などを売っている売店も置かれている。
御室桜は「つぼみ」
私達が仁和寺を最初に訪れた2019年4月6日は、御室桜はこのとおり「つぼみ」が膨らむ程度の状態であった。いやいや、ほんと、桜の開花にタイミングを合わせて旅行をするのは本当に難しい。また、日を改めて満開の御室桜は見に来なくては。
ミツバツツジの隠れ名所
仁和寺は、先程の御室桜の名所として知られているが、じつは「ミツバつつじ」の隠れ名所としても知られている。今、ミヅキが写っている写真の奥のピンクの花がミツバツツジの花となる。
ミツバつつじの花
ミツバツツジの花のアップがこちら。かなり力強いピンク色が特徴となる。このミツバツツジは、ここからさらに山奥の西明寺などのある山がメッカとなっているが、春にはここ仁和寺でも見事なミツバツヅジを見て楽しめるようになっている。
もみじの花
ツツジやソメイヨシノに混ざって紅葉(もみじ)の木も葉を付け始め、先端には可愛らしい鈴のような花の蕾(つぼみ)も付いている。紅葉は春、花を付けて少しだけ赤く染まるのだ。もちろん紅葉の最高の見頃は「秋」で間違いないが、こんな春の紅葉を愛でるのも楽しい。
境内をもう少し散歩
中央の奥にある国宝「金堂」に向かう前に、もう少し境内を散歩してみよう。現在、桜が見頃のシーズンの土曜日のお昼すぎではあるが、人はそこそこ多いが、京都の観光地としてはそこまで混み合っていない。もしかしたらこの仁和寺は、京都の【穴場】観光スポットと言えるのかもしれない。
鐘楼と枝垂れ桜
この朱色の雰囲気ある建物。これは重要文化財の「鐘楼」。枝垂れ桜のピンクとこの立派な鐘楼の建物を切り取って見ていると、古の京都にタイムスリップしたかのような・・・そんな気分にもなってくる。
水掛不動
鐘楼の奥には、石造の不動明王を安置する社。不動明王に水を掛けて祈願する事から、「水掛不動」とも呼ばれている。近畿三十六不動霊場の第十四番札所。
御影堂(みえどう)
境内の更に奥、西門にほど近い場所には、重要文化財に指定されている「御影堂」が置かれている。建造は江戸初期ごろのもの。
弘法大師を安置する社
この「御影堂」は、弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像を安置しており、社の前にはソメイヨシノが可憐に咲いている。その向こう側には西門が置かれており、そこから仁和寺の外に出て、御室八十八ヶ所霊場を巡ることもできる。八十八箇所霊場の参拝ルートは3km(約2時間)で、いつでも参拝することができるので、興味のある人は気軽にトライしてみよう。
国宝「金堂」へ
では、いよいよ仁和寺の中心である、国宝の「金堂」へと足を運ぶ。この社は、仁和寺の本尊である阿弥陀三尊を安置する御堂で、現存する最古の紫宸殿として国宝に指定されている建物である。堂内は四天王像や梵天像も安置され、壁面には浄土図や観音図などが極彩色で描かれている。さて、そんな国宝の仁和寺の金堂では、なんとこの日、13時30分より、特別な催しが開かれるのだとか。
金剛流御詠歌とバイオリンの共奏
それは「金剛流御詠歌とバイオリンの共奏」という仁和寺桜布教。金剛流御詠歌とは、大阪府河内長野にある真言宗御室派のお寺で発祥した歌の流派。その歌い手として、長崎県雲仙市・一乗院の住職「西 秦仁」氏と、岡山県倉敷市・般若院の副住職「本山 秦基」氏が招かれ、岡山県倉敷市出身のヴァイオリニスト「大原 英揮」氏のヴァイオリン、そしてピアノの音色と共に、その御詠歌を奏でるという、非常に興味深い内容のイベントとなっていた。もちろん無料。
御室流いけばなのイベントも
そして、その演奏の後には、仁和寺を発祥とする御室流のいけばなのイベントも続いて開催され、やってきていたゲストも交えて、なかなか楽しい時間が繰り広げられていった。いやぁ、まさか世界遺産の観光スポットの仁和寺が、こんなにイベント盛りだくさんだとは。予想外だった。
腰が痛くなってきた(笑)
さて・・・立ちっぱなしの仁和寺の観光も、もう数時間が経過したが・・・普段あまり運動をしていないせいか・・・だんだん腰が痛くなってきた(汗)。年なのか、ただの運動不足なのかはさておき、どこか座る所を探してみよう。
仁和寺の五重塔(重要文化財)
目の前には桜、そしてその奥にはミツバツツジ、そしてさらにその奥にそびえ立つのは、なんと、重要文化財に指定されている仁和寺の「五重塔」。ここ京都には、一番有名な東寺の五重塔、京都で最も古く現存する醍醐寺の五重塔、創建年度は最も古く(何度か焼けている)聖徳太子が建立したのが始まりの八坂の五重塔、そしてこの仁和寺の五重塔の4本の「五重塔」が存在している。
現在、この仁和寺の五重塔も、去年(2018年)の台風の被害に遭って修復中で、工事用の足場が組まれているので、見た目には少し残念な感じになってはいるが、それでも、この桜やつつじ、紅葉の向こうに見える五重塔のシルエットは風情があって京都らしい。
五重塔の奥に休憩できる縁台あり
さて、その五重塔を奥に進むと、腰を下ろして休憩できる、縁台エリアが置かれている。ふぅ・・ちょっとここで腰を休めておこう。なお、この縁台エリアの奥には、重要文化財である「経蔵」、「九所明神」の社が存在するが、中を見ることは出来ないようだ。
五重塔を見上げる
仁和寺の五重塔は、寛永21年(1644年 / 江戸時代)に建立されたもので、高さは全長36.18m。東寺の五重塔と同様に、上層から下層にかけて各層の幅にあまり差が無い建築様式が特徴だ。今の時代は何百m級の建物が世界中にあるが、それでも、この木造の五重塔を下から眺めると、その貫禄に圧倒される迫力がある。
外国の旅行者に記念写真を撮ってあげる
さて、私達が五重塔を見上げて「うぉ〜すご〜い」とワチャワチャやっている側で、五重塔をバックにお母さんの写真を小さな娘さんが一生懸命スマホで撮っている場面に出くわす。せっかくなので二人の記念写真を撮ってあげる。彼女たちの今回の京都旅行が、楽しい思い出になることを願って。
仁和寺の境内を後にする
そろそろいい時間なので、私達は仁和寺の境内を後にする。現在、もうすぐ14時30分ごろ。私達が仁和寺にやってきてからはや4時間弱が経とうとしているが、向こうからはまだまだゲストが、この境内めがけてやってきている。でも、やっぱりそんなに混み合ってないな。やっぱり穴場観光スポットだわ、ここは。
仁和寺・霊宝館
仁和寺の最後の観光スポットは、東門のすぐ近くにある「霊宝館」。ここは、最初の方でも紹介したが、一年のうち、春と秋の2回、仁和寺が持っている様々な貴重な宝物や重要文化財を展示する「季名宝展」が催される。私達が訪れた春は、霊宝館春 季名宝展「物語・うたの世界」(2019年4月1日〜5月26日)が開催されていた。
金剛華菩薩像
霊宝館の入口手前の区画には、ひっそりと「金剛華菩薩像 / 花の仏さま」も祀られている。この金剛華菩薩像は、仁和寺第1世 宇多法皇の1050年法要の記念事業として、昭和56年(西暦1976年)に安置されたもの。京都の歴史を語るのに、軽く千年を遡る古都の歴史。凄いとしか言いようがない。
霊宝館の展示物
なお、霊宝館内は写真撮影は一切禁止されているため、中の様子はお届けすることは出来ない。今回の展示では、新元号「令和」の出典元となった万葉集の注釈(江戸時代)や、織田信長、豊臣秀吉 直筆の朱印状、そして檜一本木から彫り出された国宝の仏像など、見応えたっぷりの展示物があったのだが、写真でお伝えできずに非常に残念。機会があればぜひ訪れてみてほしいと思う。
京都の穴場観光スポット「仁和寺」
京都の歴史が刻まれた、世界遺産「仁和寺」はいかがだっただろうか。この仁和寺は歴史的にもかなり奥深い歴史を持つお寺であるが、それと同時に「御室桜」や「ミツバツツジ」、そして「もみじの紅葉」と、ここ京都の四季折々の風景を楽しめる、おすすめの観光スポットでもある。
京都の中心部からは、市バスや電車でアクセスする必要もあって訪れるのは少々面倒くさいが、その分、京都の中心部の観光地に比べると人も少なめで穴場的存在の観光寺だ。併設された駐車場も、500円で停められるので、京都旅行の際にはレンタカーを使ってアクセスするのもおすすめだ。ただし駐車場のキャパは多くないので、その場合は11時ごろまでには仁和寺にたどり着けるようなプランを立てるのが良いかもしれない。
また仁和寺の春の名物「御室桜」はソメイヨシノが散り始める頃に見頃を迎える遅咲きの桜なので、「桜の時期に京都に来たけど、どもこ散り始めちゃってるなぁ・・」と思った時は、この仁和寺の御室桜を思い出して、仁和寺の本サイト、もしくは仁和寺公式Twitterをチェックしてみてほしいと思う。
それでは、この世界遺産「仁和寺」で、忘れられない京都観光を!
最新の記事
人気の記事