クレジットカードの国際ブランドとは?
クレジットカードに付いているおなじみのロゴマーク。それはそのクレジットカードがどの国際ブランドの決済システムで利用できるかを表している。
現在、日本で身近で見かけるクレジットカードの国際ブランドには、VISA(ビザ)、MASTER(マスターカード)、AMEX(アメリカンエキスプレス / アメックス)、JCB(ジェイシービー)、DINERS(ダイナース)、銀聯(ぎんれん)、DISCOVER(ディスカバー)などがある。
海外旅行に行く際には、安全上、利便性の観点からも現金は必要最小限にとどめ、クレジットカードが使える場所では、クレジットカード決済をするのがおすすめだが、実際にどの国際ブランドのクレジットカードを旅行に持っていくのが良いのか、これだけ種類があると悩む人も多いだろう。
そこで、今回は、クレジットカードの各国際ブランドの特徴、メリット・デメリットを紹介しつつ、どのカードブランドが海外旅行に強くておすすめなのかをシェア。
なお、銀聯、DISCOVERについては日本では作りにくいカードのため、今回の国際ブランド紹介では割愛し、一般的に作りやすい国際ブランドのみを解説したい。
VISA - ビザカード
クレジットカードが使える店舗では、世界中で使えない場面はほぼ無し。そんな認知度と利便性のあるカードブランドが、この「VISA」だ。
VISAカードの会員数は推定20億人以上という巨大なクレジットカードブランドで、拠点はアメリカ。1958年にバンク・オブ・アメリカにより創設された世界第一位を誇るクレジットカードカンパニーだが、VISAカード自身はカードの発行を行っておらず、そのブランドライセンシングを主な生業としている。
ショッピングなどで「カード決済をする」という目的だけを考えれば、VISAブランドのクレジットカードを持っているだけでほぼ事足りる。
ただし、カードブランド自体が有名すぎてカードに備わっている優待特典などは貧弱なので、カード保持や利用によるお得な特典などがお目当ての場合は、VISAブランドはそこまで魅力的では無い。
MASTERCARD - マスターカード
会員数約10億人の世界第2位のクレジットカードブランドが「MASTER - マスターカード」だ。
マスターカードも、クレジットカードが使えるお店では世界中ほぼどこでも使用できる国際ブランドではあるが、東南アジアなどの一部地域の店舗では、ごく稀にVISAは使えるけれどMASTERが使えない場所もあったりもする。(逆の場合も有り)
ブランドカンパニーの拠点はVISAと同じくアメリカ。VISAと同じく独自でクレジットカードの発行は行っておらず、ブランドライセンシングにより、提携会社がカード発行業務を行っている。2016年にはロゴマークも刷新され、今っぽいフラットデザインになった。
昔は一般的なマスターカード(ゴールド)で、空港から自宅まで無料でスーツケースを宅配できたりしていたが、現在は無料ではなく優待(割引)になり、VISA同様、あまりこれといって特典の無いブランドのカードとなっている。
クレジットカードの使い勝手はVISAとほぼ変わらないため、MASTER(マスター)を1枚持っていれば「決済出来ずに困る」といったことはほぼ無いので安心だ。
American Express / AMEX - アメックスカード
会員数は約1億人。T&E(Travel&Entertainment - トラベル&エンターテイメント)を掲げる、旅行や余暇などの使用に主軸を置いた、ユニークな特徴を持つクレジットカードブランドがアメリカンエキスプレス(通称:アメックス)だ。
旅行や余暇などの使用に主軸を置くというカードのテーマのとおり、アメリカン・エキスプレス(アメックス)のブランドが付いたクレジットカードには様々な特典が付加されているので旅行者にとってはとても魅力的。
例えばデルタアメックスゴールドカードではデルタ航空の上級会員であるゴールドメダリオンの会員資格が付いてきたり、マリオットアメックスカードではマリオットのゴールドエリート会員資格が手に入ったり、三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード(MUFGプラチナ)では空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティパスが無料で手に入ったりする。
更に各種クレジットカードにはトラベルサポート、空港と自宅の手荷物無料宅配サービスなど、様々な独自機能を兼ね備えたユニークな特典がカードごとに独自に存在するため、自分の欲しいメリットを選んでカードを作る楽しみがある。
また、アメリカン・エキスプレスカードには、アメックス自身が発行しているカードと、ライセンスを持った提携会社が発行しているコーポレートカードがあるのも特徴だ。
海外旅行先でのクレジットカード自体の使い勝手としては、VISAやMASTERに比べると田舎の地域などは使えないところがあったりもする。そのため、海外旅行ではアメックスカードの持つ特典(ラウンジ利用や上級会員資格)を享受しつつ、アメックスカードを使えない店舗用にVISAかMASTERのカードも用意しておくのがおすすめだ。
なお、日本国内ではAMEX(アメックス)はJCBと提携関係にあり、JCBが使えるお店ではAMEXも利用可能となっているためほぼどこでも利用できる。
JCB - JCBカード
日本を拠点にするカード決済事業ブランドが「JCB」カードだ。
会員数は1億人以上。日本のクレジットカードブランドということもあり、日本国内での利便性は最強を誇るカードとも言える。
また、各種キャンペーンも定期的に行っているため、JCBブランドを持つカードを持っていると、日本国内ではいろいろとお得な特典をゲットできるというメリットもある。(ディズニーランドの貸し切りやUSJの貸し切りなど)
海外では日本人がよく行くハワイやシンガポールでは提携している店も多くキャンペーンなどもよく行っているのでお得なことも多いが、ハワイ、台湾、タイ、グアム、シンガポールなど以外では使いにくい事が多い。
一般的な海外旅行でのショッピング決済のメインカードとしてはあまり利用価値が無いというデメリットがあるが、アメリカではDISCOVERブランドと提携しており、DISCOVERのカードが使える場所では、JCBも利用可能(一部店舗は不可)だったりもする。
海外旅行に行く場合は、JCBカード+VISA(もしくはMASTER)を持って行くのがおすすめだ。
DINERS - ダイナースクラブ
アメリカを中心に展開する希少性のあるカードブランドが「DINERS CLUB - ダイナースクラブ」。
会員数は全世界で500~600万人程度ではないかと推測されるが詳細は不明。クレジットカード利用の限度額の明記は特に無く、主に富裕層がカードを所持していることから「カードで家も購入できる」と噂されたりもするクレジットカードだ。
「DINERS CLUB - ダイナースクラブ」は一度経営不振により、CITIグループが買収。その後、今度はCITIグループの経営不振により、現在はDISCOVERグループの傘下のカードとなっており、日本での事業は三井住友が行っている。
日本国内ではJCBと提携しているため利便性は高いカードとなっているが、海外では残念ながら利用できる店舗がかなり少ないため、海外に持っていくのにはあまりおすすめできない。
ただし、このダイナースカードはプライオリティパスを作ることが出来たり、カード利用でのポイントはANAやユナイテッドのマイルに交換できたり(マイル交換には年間6,000円の追加会員料金が必要)と、使い方によってはメリットを享受できたりもする。
クレジットカードブランドは使い分けるのがベスト
クレジットカードは一昔前は、ステータス目的で保持する人も多い傾向にあったが、リーマンショックなど様々な時代の流れを受け、カードブランドのステータスのようなものは今や幻想のようなものになっている。
クレジットカードのブランドを選ぶ基準というのは、自分のライフスタイルや利用目的、特典などで選ぶ時代となっていると言える。
もちろん利便性だけで見るなら、VISAやMASTERに勝てるブランドは無い。しかしカードに付随する特典については、アメックスやJCB、DINERSに軍配が上がる。さらに、VISAやMASTERであってもその場のATMやレジとの相性で利用できない場合も多々ある。
つまり、1つのカードブランドで全てを賄うことは出来ないというのが、海外旅行に頻繁に出かける私達の結論になっている。
海外旅行におすすめのクレカブランドは2種持ち
- 現地の店舗での決済目的のメインカード…VISAもしくはMASTER
- ラウンジ利用や各種特典目的…アメックスやJCB、DINERS
海外旅行に行く場合のおすすめのクレジットカード ブランドは現地の店舗での決済目的でメインカードとしてVISAもしくはMASTERを持ちつつ、ラウンジ利用や各種特典目的で、アメックスやJCB、DINERSを持つという2種もしくは3種持ちのスタイルがおすすめだ。
カードの年会費がかさばってしまうというリスクはあるが、それぞれのクレジットカードが持っている特典は、その年会費を凌ぐものになっている。是非カードの特徴をしっかり吟味して、自分に合ったカードの組み合わせを見つけ出してみて欲しい。
参考までに、私達が海外旅行に持っていくのに最適だと思っているクレジットカードを以下に紹介。海外旅行用のカード選びに迷った時はチェックしてみてほしい。それでは、クレジットカードを上手に使って快適でステキな海外旅行の思い出を!
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