各キャビンの価格設定
まずはそれぞれのキャビンの価格帯を見ていきたいと思う。なお、クルーズ旅行では、この部屋料金にはフルボード(朝・昼・晩)の食事、船内エンターテイメント(シアターショーなど)などが含まれている。上に、東京発、上海経由で再び東京に戻ってくる3日間のショートクルーズの1人あたりの値段を表示させてみた。
船はイタリアのクルーズ会社MSCクルーズのMSCスプレンディダ、カジュアル船だ。内側キャビンルームが179ドル(1日60ドル)、窓付きキャビン(シービューキャビン)が219ドル(1日73ドル)、そしてバルコニー付きキャビンが279ドル(1日93ドル)だ。その隣のバカ高いスイートルーム(749ドル)は置いておいてw
この3つのキャビンルームでも一日あたりの価格帯が15ドル〜30ドルほどの違いがある。一人の値段だとそれほど違いは感じられないが、これが夫婦二人、子どもと一緒に3人、、と人数が増えていくと1日あたりの差額もかなりのものになってくる。このお部屋による費用の違いを頭に入れつつ、下のキャビン比較を進めていきたいと思う。
内側キャビン・内側の客室
一番お得で、出来るだけ安い価格でクルーズ旅行を実現させたい場合におすすめしたいのはこちらの「内側キャビン」のお部屋。
クルーズ船の内側にある客室のため、窓も無く部屋の明かりを消せば真っ暗になるキャビンだ。外の景色が見えないということで、人によっては圧迫感や閉塞感を感じてしまうこともあるかもしれない。一応部屋にはTVモニターが付いており、チャンネルを回せば外の風景を映している固定カメラの映像を見ることもできるが、画質はそんなに良くないので、窓代わりには使えないのであまり期待しないほうがいいだろう。
ただ、この内側キャビンは他の船室に比べて非常に揺れにくい。冬の地中海クルーズなどは波が荒い日もあったりするが、この内側キャビンならそれほど揺れを感じることもなく快適に過ごすことが出来るだろう。
また、バスルームやアメニティ類などの設備は、窓付きキャビン、バルコニー付きキャビンなどとほぼ同じなので、内側キャビンだけがみすぼらしいということは無いので安心して欲しい。
この内側キャビン(内側の部屋)は、外国人のベテランクルーズ旅行者が費用対コストが高いため好んで宿泊していたりもする。つまり、このお部屋は実はクルーズ旅行上級者向けのお部屋だったりもするのだ。(クルーズ船の内側キャビンの詳細レビューはこちら)
内側キャビンのメリット
- 価格が一番安い
- 揺れを感じにくい
- 基本的なアメニティ類や設備は、窓付きキャビン、バルコニー付きキャビンとほぼ同じ
- 内側なので部屋が暖かい
- 部屋から外が見えないので、部屋に長居することが少なくなり、結果、船内のエンターテイメントを渡り歩くという行動パターンになり、アクティブにクルーズ旅行を楽しめる。
内側キャビンのデメリット
- 窓がないため人によっては圧迫感や閉塞感を感じる
- クルーズ気分を味わうためには甲板に行ったりする必要がある
- お部屋の見た目に派手さがないので、物足りないと感じる人もいるかもしれない
窓付きキャビン・窓付きの客室
続いて、窓付きキャビンのお部屋を見ていきたい。窓付きキャビンの客室は、バルコニーは付いていないものの、自分の部屋から外の景色を眺めることが出来るため、クルーズ旅行の航海の雰囲気を存分に楽しむことが出来る。
しかしその一方で、部屋ごとの景観の当たり外れが非常に高く、条件が悪い部屋になると、窓からの眺めが救命ボートビューになったり、通路に面していてカーテンを開けると歩いているゲストと目が合う、、なんてこともあったりする。
ちなみに、海外のクルーズ予約サイトではそういった悪景観の部屋は、他の部屋に比べ安い値段設定になっているのだが、日本のツアー会社を通して予約をしたりすると外れ部屋であっても、他の部屋と料金が変わらない、、、なんてこともあるので、窓付きの部屋の場合は「視界が遮られる」などという記述がある場合は注意しよう。
部屋の内装や設備のグレードは、窓が付いている以外は内側キャビンとほぼ同じなので、あまり期待しないようにしよう。こういった性質のキャビンタイプであることを考えると、窓付きキャビンのお部屋は自分で部屋をリサーチすることが出来るクルーズ旅行上級者向けの客室だともいえるだろう。(クルーズ船の窓付きキャビンの詳細レビューはこちら)
窓付きキャビンのメリット
- 価格は内側キャビンより少し高い程度
- 日中は部屋に日光が入るため開放感がある
- 外の様子をうかがい知ることが出来る
窓付きキャビンのデメリット
- 窓は開かない
- ツアーでは取り扱っていないこともある
- 内側キャビンよりも揺れを感じやすい
- 部屋によって窓からの景色に当たり外れがある。最悪な場合は、窓をあけると救命ボートビューや、船の通路に面した部屋で歩いている人と視線が合ったりする可能性も。。。
- ツアーで予約すると部屋を自分で決められないことがほとんどのため、良い部屋を確保するには外国のクルーズ旅行予約サイトや直接クルーズ会社のサイトから予約する必要があり、クルーズ初心者にはハードルが高い。
バルコニー付きキャビン
そして最後にバルコニー付きキャビンを見ていこう。写真奥の窓の向こうにテーブルセットが置かれているのが見えると思う。窓から外を眺めるだけでなく、ベランダに出て外の空気を感じ、海を見ながらコーヒーを飲んだりできるのはとても開放感が有り「あぁ、船旅をしているんだなぁ」と実感できる贅沢な時間だ。
バルコニー付きキャビンは、クルーズ旅行を個人手配する場合は頑張れば予算を抑えることも出来たりもするが、ツアー会社を通したりする場合は旅行代金は内側キャビンに比べてかなり割増になってくる。
とは言え「バルコニーが付いている客室」というメリットは、他の部屋の滞在体験を凌駕するので、クルーズ旅行の予算に余裕がある場合は、迷わずバルコニー付きキャビンの部屋を選択したいところだ。
日中、船を下船してその土地を観光し(寄港地観光)、再び乗船して自分の部屋のバルコニーから、さっきまで探検していた土地が遠ざかってゆく様を眺めるという体験は、クルーズ旅行のハイライトの一つとも言える最高のひとときだ。
出港する港では、現地の人が手を降ってあなたの出発を見届けてくれているはずだ。とっておきのクルーズ旅行を体験したいのであれば、迷うこと無くこのバルコニー付きキャビンを選ぶようおすすめしたい。
ただし、冬場のヨーロッパクルーズなどでは海が荒れることもあり、荒れた日には窓から見える海の様子との相乗効果で揺れを強く感じたり、部屋も若干寒く感じることもあるので、その点だけは頭に入れておこう。(クルーズ船のバルコニー付きキャビンの詳細レビューはこちら)
バルコニー付きキャビンのメリット
- バルコニーからプライベートに船旅を楽しめる
- 景色は最高
- 内装の見た目も、内側キャビンや外側キャビンに比べラグジュアリー感があり、満足感も高い。
- 部屋は他の部屋に比べ、少し広めに設定されているので、部屋の中での滞在満足度も高い。
- 自分が下船して観光した土地を、出港の時に自分の部屋から眺められるというのは、最高のクルーズ旅行の思い出になることだろう。
窓付きキャビンのデメリット
- 値段が高い
- ツアー会社で予約するともっと高い(汗)
- 海が荒れていると揺れを感じやすく、船酔いしやすい人はしんどい。
- 値段の割に、バスルームの設備などは、内側キャビン、外側キャビンと変わらない。
- 冬場などは冷たい外の空気が入ってくるので、暖房を入れていても寒いと感じる人もいる。
クルーズ船の各キャビンの比較レビューまとめ
クルーズ船の内側キャビン、窓付きキャビン、バルコニー付きキャビンの実体験に基づいた比較レビューはいかがだっただろうか。
それぞれのキャビンにはそれぞれの特色があるので、予算とのバランスを考えて自分のクルーズ旅行に一番合ったお部屋を選ぶと良いだろう。
しかし、こうして私の各キャビンの宿泊体験を踏まえたレビューを読むと、余計に選ぶのが難しくなってしまった、、、そんな人のために、キャビン選びのコツを簡潔にザクっと書いておくので、次のクルーズ旅行のキャビン選びの参考にして欲しい。
内側キャビン
細かいことにはこだわらない、出来るだけお得にアクティブにクルーズ旅行を楽しみたいゲスト向けのお部屋。
窓付きキャビン
お得さと充実感のどちらも手放せない、そして良い部屋を確保するためには自分でリサーチする努力も忘れない、欲張りで努力家なゲスト向けのお部屋。
バルコニー付きキャビン
お得感よりも旅の思い出を大事にしたい、セレブでロマンチストなゲスト向けのお部屋。
この各キャビンの徹底比較レビューが、今度のあなたのクルーズ旅行の手助けになれば非常に嬉しく思う。それでは、忘れない最高のクルーズ旅行を!
最後に、私達がクルーズ旅行をしたときの旅行記を載せておくので「クルーズ船の中はどんな雰囲気なんだろう?」とか「食事の様子は?」とか「ドレスコードがあるのは知ってるけれどみんなどんな感じなんだろう?」とか色々疑問がある人はぜひ読んでみてほしい。きっと疑問が解決するだろう。
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