シンガポール MRT(地下鉄 / 電車)の乗り方
シンガポールのメジャーな交通手段であるMRT(マス・ラピッド・トランジット - 地下鉄 / 電車)は、料金も安いためできるだけ旅費を抑えてシンガポール旅行をしたい人にはマストな移動手段 だ。今回の特集では、旅行者がこのシンガポールMRTに乗る方法を紹介したいと思う。
「え!?電車なんてチケット買えば良いだけでしょ?」
と思ったあなた。実は、このシンガポールの地下鉄(MRT)には2023年現在、日本の電車などで購入できるようなチケットが存在せず、チャージ可能なSuicaのようなICカードを手に入れてそれを使って乗車するのが基本となっている。
以前はスタンダードチケットという現金で購入できる紙製のチケットも存在していて旅行者にも利用しやすかったのだが、それも2022年の3月頃に廃止されてしまい、現在はSuicaのようなチャージできる「EZ-Link」と「NETS」という2種類のカードを使っての乗車、もしくはコンタクトレス(非接触)ICカードを備えた VISA か Master のクレジットカードでの乗車(SimplyGo)しかできなくなっている。
私達もコロナ後に久しぶりにシンガポールに旅行に来てみたら、このMRT関連の状況がかなり変わってしまっていて驚いた。というわけで、現在のシンガポールのMRTの状況を詳しく解説するのでこの特集記事を読んでシンガポール旅行の際には困らないようにしておこう。
MRTの乗車方法は全部で2種類
まず、シンガポール国外からの旅行者がシンガポールのMRT(地下鉄)に乗る方法は以下の2種類存在している。
交通機関ICカード「EZ-Linkカード」、もしくは銀行系ICカード「NETSカード」を使っての乗車
「EZ-Link カード」「NETS カード」はシンガポールの Suica のようなカード。例えばEZ-Linkカードなら、チャンギ国際空港などの大きなMRT駅で購入できる他、町中のセブンイレブンなどでも取り扱いがある。価格は例えばセブンイレブンでの購入であればだいたい10 SGD(約1,000円 / 発行手数料 5 SGD+チャージ分 5SGD)となっている。
非接触型ICカードを備えた VISA / MASTER のクレジットカード、もしくは VISA / MASTER カードを登録したスマホの「Apple Pay」もしくは「Google Pay」での乗車(SimplyGo)
従来の紙のスタンダードチケットに変わって2022年から新しく導入された乗車運賃の支払い方法で、クレジットカードの決済機能を使った「SimplyGo」という乗車方法。
昔はクレジットカードでの乗車が出来なかったが「SimplyGo」のお陰で、非接触型クレカ、もしくはApplePay や GooglePayを備えたスマホ(登録元のカードが非接触ICカード型でなくても登録できればOK)があればすぐにでもMRTに乗車できるようになったというのは、旅行者にとって非常にありがたいことだ。
※ EZ-Linkカードの詳細についてはEZ-Linkの本サイト を参照。
SimplyGoでの乗車方法
では実際の各乗車方法を使ってのMRTの乗り方を紹介していきたいと思う。まずは、クレジットカード決済を使った「SimplyGo」でのMRT乗車方法から。
・・・といってもこのSimplyGoを使った乗車方法は、単純に非接触ICカードを備えたクレジットカード(VISA / MASTER)、もしくはクレジットカード(VISA / MASTER)を登録したApplePay もしくはGooglePayが使えるスマホを用意して乗車と降車の際に改札のセンサーをタッチするだけ。センサーをタッチして問題がなければ、センサーの表示がグリーンに変わって改札が開く。ただし、利用料金の表示は無いので自分で運賃などは調べておいたほうが安心だ。
※ SimplyGoのスマホ用アプリをダウンロードして会員登録後、利用するカードを登録しておけば利用料金を確認することができる。
また、このSimplyGoを利用するためにはMRTを利用する人数分のクレジットカード、もしくはスマホが必要となるのでそこも注意しておこう。(7歳未満、もしくは身長90cm未満の子供であれば無料 / 身長90cm以上で7歳未満の子供が無料でMRT / バスを利用するためにはチケットオフィスで申請するともらえるチャイルド・コンセッション・カードが必要)
シンガポール国外発行のクレジットカードには手数料
クレジットカード決済の「SimplyGo」は旅行者にとって非常に便利なのだが、実はシンガポール国外発行のクレジットカードには乗車運賃の支払いが発生した日にちごとに0.6SGD(約60円)の手数料がかかってしまう。
また、現在のところ VISA / MASTER カードブランド以外のクレジットカード(ANEXなど)では「SimplyGo」を利用することは出来ないのも、海外からの旅行者には使いづらいところでもある。
EZ-LINKカードでの乗車方法
「できれば手数料を払ったりせず、できるだけ安くでシンガポールのMRTやバスを利用したい」。そういったニーズには、やはり「EZ-LINK」カード、もしくは「NETS」カードを利用するのをおすすめしたい。
「NETS」よりも「EZ-LINK」カードのほうが旅行者は入手しやすいので、ここでは「EZ-LINK」カードについて紹介していきたいと思う。
EZ-LINKカードの入手方法
EZ-LINKカードは、チャンギ国際空港などの主要なMRT駅、もしくはセブンイレブンで購入することができる。MRT駅での購入の場合は現金のみでの支払いになるが、セブンイレブンであればApplePay、GooglePay、もしくはVISAかMASTERのクレジットカードでの購入も可能となっている。
ただし、このEZ-LINKを取り扱っているチケットオフィスは夜22時ぐらいには閉まってしまう他、セブンイレブンも夜の23時を過ぎると閉まってしまうので深夜便や早朝便の場合は、購入機会を改める必要があるので注意しよう。
EZ-LINKカードでの乗車
続いてEZ-LINKカードを使ってのMRT乗車方法。まぁ方法と言っても使い方は簡単で、日本でSuicaなどを使うときと同じく、改札のセンサーにEZ-LINKカードをかざすだけ。
なお、残高が足りない場合は改札を通ることが出来ないので、あらかじめEZ-LINKカードには余裕を持ってチャージ(シンガポールなどではチャージのことをTop Upという)しておく必要がある。
EZ-LINKのチャージ方法
さて、このEZ-LINKカードへのチャージ方法であるが、それは以下の施設でチャージすることが可能となっている。
チケッティングマシーン
チケットオフィスなどのサービスカウンター
EZ-LINK専用アプリ(旅行者は利用不可)
セブンイレブン(手数料がかかる)
DBS/POSB のATM(操作がややこしいので非推奨)
これらのうち一般的に利用するのはチケッティングマシーンでのチャージになるが、シンガポール国外からの旅行者にはちょっとしたハードルがあるので注意しよう。それは、チャージ(Top Up)にはシンガポール国外で発行されたクレジットカードは利用できない(Apple Pay や GooglePay も同じ)ということ。
私もEZ-LINKカードへのチャージはクレジットカードでできるだろうと、実際にシンガポールのチケッティングマシーンでクレジットカードやApplePayでTop Upの操作してみたが、何度やってもエラーになって焦ってしまった。
チケッティングマシーンは現在クレジットカードやバンクカードしか利用できないものが多いが、マシーンが並んでいる中には「Cash OK」のものがあるので、そこで現金を使ってチャージするようにしよう。
なお、クレジットカードでのチャージは10SGDからになっているが、現金を使ったチャージの場合は2 SGD札、5SGD札、10SGD札の利用が可能となっている。
EZ-LINKカードの有効期限
せっかく手に入れたEZ-LINKカードの有効期限についてだが、このカードの有効期限は最後にEZ-LINKカードを使ってから5年間となっているようだ。
最初にこのカードを発行するために手数料として5SGD(約500円)が必要となるが、一応その分寿命も5年間と長いので、1回限りでなく今後もシンガポールを訪れる予定があるなら、手に入れたEZ-LINKカードは大事においておくのが良いだろう。
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