コラム
確率論で考察!台風シーズンに飛行機で国内・海外旅行に行くべき?
台風シーズンに飛行機を使った国内・海外旅行には行くべき?
今年も台風シーズンが始まり、現在まさに通り過ぎようとしている台風10号により、飛行機の国内線・国際線の遅延、欠航情報が飛び込んできている。そこで今回の特集では、「台風シーズンに飛行機を使った国内・海外旅行には行くべきか?」をテーマに、過去5年間の台風の発生 / 接近 / 上陸 のデータや、各航空会社の台風の影響による遅延 / 欠航に対する対処方法、そして国内・海外旅行先の台風シーズンにおける気象 / 天気の傾向 / ベストシーズンも踏まえて、総合的に検証してみたいと思う。
2019年の台風10号
まず検証に先駆けて、2019年の台風10号の進行状況を見てみたい。2019年の台風は、本州・中国地方に上陸し、西日本全域と、東日本の一部に強風圏を広げて通り過ぎていく進路となっている。さて、この気象情報を見る限りでは「東京の空港は影響が無いんじゃないか?」と思うのだが、実際は東京発着の飛行機も、国内線・国際線では相次ぐ欠航 / 遅延が発表されている状況にある。
つまり、台風が本州に直撃 / 上陸してしまった場合には、危険回避のため、地域に関わらず、飛行機のスケジュールに影響が出てしまうということを頭に入れておきたいところだ。
台風の影響による飛行機各便の状況:国内線
さて、この台風10号の影響による飛行機 各便の遅延 / 欠航の状況もチェックしよう。まず国内線については台風に影響のある便は【ほぼすべて欠航】となっている。
台風の発生回数と飛行機が遅延 / 欠航する確率
今回の台風10号(クローサ)の空港や飛行機の影響を見たところで、続いて台風の5年間の気象データ(気象庁発表)を見てみたい。
表に記載した「日数」とは、一つの台風が与える影響期間を2日と仮定した場合に、その月に台風の影響が出る平均日数(5年間)を算出したもの。また「確率」は、その月のとある1日が台風の影響下に入る確率を表したもの。つまり、その月に飛行機を利用する場合に、台風の影響を受ける確率を表したものだ。
こうして見てみると、例えば8月に飛行機を利用しようとする場合、台風の影響を受ける確率は11.6%、約1割。この確率を高いと捉えるか、低いと捉えるかは個人差があるが、決して無視できる確率ではないのは確かだ。また、沖縄に関しては7月〜9月は常時10%超え、10月に入っても7〜8%の確率で台風の影響を受ける可能性があるので、夏の沖縄旅行というのは、憧れではあるがなかなかリスクも高いということになる。
台風の影響による航空会社の対応について
では、実際に台風の影響で飛行機が遅延 / 欠航してしまった際の、各航空会社の対応についても知っておきたい。
「台風で遅延や欠航してしまっても航空会社はちゃんと連絡してくれて代替便を用意してくれるんじゃないの?」
と考えている人も多いと思うが、実際に台風の影響で自分のフライトが遅延 / 欠航すれば、航空会社から登録したメール宛やSMSなどでお知らせが届くことは多い。(電話連絡はほぼ無いんじゃないかなぁ?)またパッケージツアー旅行の場合は、旅行代理店が電話してくれたり、何らかの対策をしてくれることも多い(通常はキャンセルで全額返金とかになるのかな?)。
しかし個人手配の場合、その遅延や欠航があった場合でも、便の振替を自動でやってくれるかどうかは、状況や航空会社によっても異なってくる。つまり、自分のフライトが欠航となったときにボーッとして何もしなかった場合は、最悪、次の代替便の確保はできない可能性もある、ということだ。
通常、航空会社の理由による遅延 / 欠航の場合は、ほぼ必ず航空会社が代替便をしっかり手配してくれるのだが、台風などの天災の場合は、航空会社は何も悪くないので代替便などをすべて手配してくれるようなことは少ない。そのため、こうして台風で遅延 / 欠航となった場合は、利用する航空会社に連絡を取って、自分で対策をしていく必要がある。ただまぁ、代替便に振り替えをする際には、追加費用などはかからないケースがほとんどではあるが。
とにかく、自分で手を挙げて航空会社にちゃんと連絡して、積極的に代替便を確保することが重要となる。(台風などの天災時における航空会社の対応状況については下の記事も参照)
エアライン
台風などによる遅延・欠航はどこまで航空会社は対応してくれる?
台風などの悪天候での飛行機の遅延、欠便について、航空会社がどこまで対応してくれるかをまとめてみた。エアアジアやスクートなどのLCCに関しては「補償がない」と思われがちだが果たしてそうなのか。また、どの航空会社でも補償してくれない事項もあるので、これを読んで海外旅行の万が一に備えよう。
台風シーズンの国内・海外旅行先の天気 / 天候
さて、台風による飛行機の遅延 / 欠航については以上となるが、ついでに台風シーズン(8月〜9、10月)の国内 / 海外旅行先の天候についても触れておきたい。
8月〜9、10月は日本の台風シーズンなので、日本国内旅行に関しては旅先の気候も同じく「台風シーズン」となるため、この時期はお盆や夏休み等の長期休暇があって旅行に行きやすいとはいえ、季節的にはあまり旅行に向いているシーズンだとは言い難い。
また、海外旅行に関しては、例えば南半球のオーストラリアやニュージーランドは、これから季節が春〜夏になってゆくベストシーズンなので旅行には最適だといえる。またヨーロッパやアメリカ本土方面も特に季節的な問題は少ない。
しかし、比較的近いため海外旅行先として行きやすい「東南アジア」に関しては、この時期はモンスーンが活発なシーズンとなり、ベトナム、タイ、マレーシアなどなど、「東南アジア」の人気の海外旅行先はどこも「雨季」で雨が多い。(私達もお盆休みのプーケットでは大変な目に遭った)
旅行記
タイの秘境・ピピ島とプーケットを巡る旅行記
お盆休みの海外旅行は高いけれど、エアアジアで行けば格安で絶景ビーチリゾートでバカンスできる♪プーケットとピピ島に行ってみた旅行記!が、しかしこの時期は雨季で、現地で大変な目に遭う・・・。乾季と雨季をしっかり確認することは大事だ、、、。
唯一インドネシア・バリ島あたりは乾季のベストシーズンとなるが、それ以外の東南アジアに関しては、台風シーズンはあまりおすすめできる場所が無い。つまり、台風シーズンにベストな旅行先というのは、かなり絞られてきてしまい、実は気軽に海外旅行計画を立てられる時期ではなかったりもする。
旅行というのは、やはり旅先の現地での気候も非常に大切な要因の一つ。まぁ、オフシーズンだと、ホテル代や飛行機代も抑えられるというメリットもあるが、日本を発つ時の台風リスク、現地での気候 / 天気を総合的に判断しながら、台風シーズンの旅行計画は立てるようにしたいものだ。
台風シーズンの飛行機を使った旅行は最悪のケースを考えて計画しよう
こうして台風シーズンに飛行機を使った国内・海外旅行を見てみると、総合的に考えて約10%ほどのリスクがあると思っておいたほうが良いと私は考える。その1割のリスクを考えた時、「万が一、台風で飛行機が欠航や遅延したりすることになっても、その旅行に行ってみたいか」ということを考えるようにすれば、おのずと台風シーズンに飛行機を使った旅行に行くべきかどうかの判断ができるはずだ。そして旅行に行く際も、この1割の確率を頭の片隅においておけばイザというときに慌てずに済む。
まぁ、飛行機に関しては日程をずらしたりするなどで掛けた費用が無駄になることは無いし、ツアー旅行の場合はキャンセルになればツアー代金は全額返金となるだろうから、旅行に行けないのはかなりがっかりではあるが、費用的にはそこまで心配する必要は無いだろう。
しかし、個人旅行でのホテル代に関しては、いくら台風が発生して現地に行けなかったとしても、通常は規約上キャンセル料金が掛かってくるし、それを補償するような保険も無いので、台風シーズンにホテル予約をする場合は、欠航でフライト自体がキャンセル・・・といった最悪のケースを想定しながら、旅行計画を立てていくことが大切だろう。
この時期のホテルを予約する際のワンポイントアドバイスとして、一番安いプランは「キャンセル不可(キャンセルした場合は返金不可)」だったりするのだが、特にこの時期の予約は目先の安さに惑わされず「前日までキャンセル無料」などのプランで予約しておくとかなりの確率で費用が無駄にならずに済む。
また「キャンセル不可」のプランで予約をしていたとしても、フライトが欠航になってしまった場合は宿泊先に「フライトが欠航になってしまって現地に向かうことができないので、残念ながらキャンセルします」ということを連絡すると、ホテル側の好意でキャンセル無料にしてくれる場合もあるので、ダメ元で連絡もしてみよう。(あくまでもホテル側の好意によるものなので、あまり期待しないように。)
最後に、飛行機の遅延で現地到着が半日〜1日遅れるケースなどは、連絡を何も入れないまま予定日にチェックインしないでいると勝手に宿泊予約が消されることもあるので、ちゃんとホテルに「飛行機の遅延でチェックインが遅れる」という連絡ができる手段(メールなど)を用意しておくこともお忘れなく。それでは、良い旅行を!
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