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【アップル カープレイ】LCI2のBMW MINIにも搭載のApple Carplayはナビ代わりになる?
アップルカープレイはナビ代わりになる?
Apple CarPlay(アップル カープレイ)は自分のスマホ iPhone の画面を車のナビ画面に映してアプリを操作できる画期的なシステムで、LCI2のBMW MINI にもナビ代わりになる規格として搭載されている。
2022年12月現在、世界的な半導体不足により BMW MINI(ミニ)は生産されている車にカーナビが付いていないものが多く、代わりにこのアップルカープレイが搭載され、このカープレイでAppleの純正マップアプリやGoogleマップをナビ代わりに利用するような流れになっているのだが、、しかしこのアップルカープレイは本当にカーナビの代わりになるのか?
先日、愛車のMINIを修理のため入庫し、その間、LCI2のナビ無し・アップルカープレイ付きのMINI代車を借りて、ちょうど良い機会だったので実際にApple CarPlayをナビ代わりにドライブしてみたので、その使用感をレポートしてみたいと思う。
アップルカープレイとは?
まず最初に、アップルカープレイとは何なのかを説明しておきたい。このアップルが開発したApple CarPlayというのは、自分のiPhoneのスマホの画面を、車のカーナビ画面などのディスプレイに表示し、その画面上でiOSのアプリを操作するシステム。言ってみれば自家用車に普段のスマホの機能が備わるようなもので、電話はもちろん、メールやSMSをチェックしたり、音楽を聞いたり、カレンダーでスケジュールをチェックしたり、地図を見たりすることができるほか、2021年以降の対応車種ではiPhoneをデジタルキーにしてドアロックや解除、エンジンを掛けたりすることもできる。
このアップルカープレイは、外国車だけでなく、日本の車メーカーの新しい車には順次搭載されてきているので実際に利用する機会は今後増えることが予想されるが、BMW MINI の場合は、昨今の半導体不足を名目に、純正ナビをやめてこのアップルカープレイをナビにする方向に進んでいるとの話もあるようだ。
アップル カープレイはナビ代わりになる?
さてそんな便利に思えるアップル カープレイだが、本当に車のナビ代わりになるのか?私は今回の代車(MINI COOPER 5ドア / LCI2)を借りた際に、実際にアップルカープレイを使ってiPhoneのマップアプリでドライブしてみたので、その体験をもとに使用感などをレポートしてみたい。
なお、BMW MINI でアップルカープレイを利用するのは非常に簡単で、iPhoneと車をBluetooth(もしくはUSBケーブル)でつないでペアリングするだけ。あとは勝手にiPhoneと車がシステムを構築してくれてすぐにアップルカープレイが利用可能になる。
アップルの純正マップアプリはオフライン地図が利用できない
まず、このアップルカープレイでは通常ではアップル純正のマップアプリを使ってのナビとなる。アップルの純正マップアプリは、昔は地図やナビの精度が悪く非常に信頼性の悪いものだったが、現在は地図の精度も向上し、GoogleMapなどと比べてもそんなに変わらない信頼性の高いものになってきている。
しかし、携帯の電波が届く町中などの場所ではアップルの純正マップで問題ないのだが、電波状況が悪い場所になると、アップル純正マップアプリは地図やナビゲーションを利用できなくなってしまうのだ。ここがアップル純正マップアプリの最大の欠点といえる。アップルはオフライン地図の特許申請も行ったりしていて、今後はオフライン地図にも対応するつもりだとは思うのだが、2022年12月現在はまだオフライン地図は利用できない。
そこで予めオフライン地図をダウンロードしておけば、電波の届かない場所でも地図が利用できるGoogleマップが活躍するのであるが、このアップルカープレイでGoogleマップを利用するのはちょっと難しいところがあるのだ。
Siriは頑なに純正マップアプリを使おうとする
アップルカープレイでは、画面で一度Googleマップを利用すれば、次に車に乗ったときもGoogleマップが自動で立ち上がってくれるのでそこは便利な仕様となっているのだが、例えば運転中にどこかの場所にナビしてほしいときにハンズフリーで「Hey Siri(ヘイ シリ)!〇〇(場所の名前)を経路検索」などというと、アップル純正アプリでナビを開始しようとしてしまうのだ。
今回代車で借りたMINI(LCI2)にはハンドルのところにハンズフリーボタンがついていて、「Hey Siri」と言わなくてもそこを長押しすればSiriが立ち上がるのだが、ナビをしてもらおうと場所の名前を言うと必ずアップル純正マップが起動してしまう。
Siri に「グーグルマップ」といえばちゃんとGoogleマップを起動してくれるのだが、Googleマップはナビ使用中でなければ地図表示だけでは「OK Google」に反応してくれず、画面をタップして操作するしか方法がないのだ。これでは運転中は非常に危険なので、ハンズフリーでナビを使いたいなら、結局アップル純正マップアプリを利用することになるのだが、そうなると携帯の電波が悪い場所ではナビが使えない、、、。
ナビはいつでも使える信頼感がほしい
もちろん普通の車載ナビもハンズフリーで操作するのは難しい場面も多いが、車載ナビは地図データが入っているので地図や自分の現在の位置が表示できなくなるという心配はない。
それに比べ、このアップルカープレイを使っての地図の表示やナビは、アップル純正マップアプリを使う場合は電波状況を確保しておかないといけないという心配があるし、たとえオフライン地図が利用できるGoogleマップでも、あらかじめ自分が行きたい場所のオフライン地図をダウンロードしておかなくてはいけない、しかもオフライン地図の有効期限もありダウンロードしても最新のものに更新しておかないと利用できなくなるといった煩わしさがある。
地図更新の費用無しは嬉しい
しかし、アップルカープレイのナビも悪いところばかりではない。車載ナビの場合、正しいナビを機能させるためには地図データを最新のものに更新しないといけないという面倒臭さがあり、そのデータ更新もお金がかかる。BMW MINI の場合、新車で購入すれば3年間はナビデータ更新は無料(工賃4,000~5,000円程度は別途)だが、以降はデータ更新料は2.5万円ぐらいかかる。
でもアップルカープレイの場合は地図データはマップアプリのものを利用するため、常に最新のデータが提供されているので、地図データ更新の費用もかからず経済的。そのため、このアップルカープレイでのナビは、電波状況が確保されている町中などでは非常に使いやすくてメリットが大きいといえる。
アップル純正マップアプリにオフライン地図機能を!
今後、いろんな新しい車に装備されていくであろうアップルカープレイ。実際にiPhoneの地図アプリでナビを使ってみたところ、電波状況の良い町中などでは非常に使い勝手が良いナビだと感じた。また気になる通信量についても、ナビを使ってもそんなにデータ量を使わない(1時間で10~20MB程度)ので、電波が確保されている場所では、車のナビとしての機能を十分果たしてくれる。
しかし、電波状況が悪い場所になると、アップル純正マップアプリは地図やナビが使用できなくなる危険がある。そこで万が一のためにGoogleマップのオフライン地図を用意しておくと安心ではあるけれど、アップルカープレイではグーグルマップは使いにくいし、何より複数のマップアプリを併用するのは非常に煩わしい。
こういったことを総合的に判断すると、このアップルカープレイを、従来のカーナビの上位互換ナビにするためには、やはりアップル純正アプリにオフライン地図機能を実装させる必要がありそうだ。まぁ本音を言えば、それまではBMWミニもアップルカープレイだけじゃなくて純正ナビも、半導体不足とか言わずになんとか調達して付けて置いてほしいなぁ・・。
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