旅行記 - 1月7日

[初海外の両親を連れて冬の地中海クルーズ旅行記46] 4日目・これはフランスのお土産じゃない!写真が無いといかんのじゃ!

お目当てのショッピングモールに到着！

添乗員さん：「ここは3年ほど前にオープンしたマルセイユで一番大きいショッピングモールです。いろんなお店がありますので、ぜひお買い物をお楽しみください～。トイレは2回の奥にあります～」

ミヅキ：「母さん、ここならきっとお土産買えるよ！」

母：「良かったぁ～。やっと買えるんやね！」

集合時間などを添乗員さんから聞いた後、解散。

レ・テラス・デュ・ポール（Les Terrasses du Port）

2014年5月にオープン。61 000 m²もあるこの巨大なモールには140店舗以上のお店や20店舗近いカフェやレストランの飲食店、デパート、スーパーのモノプリなんかが入っている。営業時間は10時ー20時とヨーロッパには珍しく長時間オープンしている。

モールの中は広々している

モールの中心にエスカレーターがあり、たくさんの人がフロアを行き来している。エスカレーター乗り口には警備員のようなスタッフが立っていて、簡単な手荷物のチェックをしている。テロの警戒とかしてるのかなぁ？このモールには「ユニクロ」も入っている。ユニクロってどこに行ってもお店がある。ホントに世界中に進出してるんだね。

お土産を探して

ミヅキ：「お土産ってどんなもの買いたいん？」

母：「親せきに渡すやつやから、お菓子がいいと思うんよ。」

ミヅキ：「チョコレートとかキャンディーとか？」

母：「そうそう。よくあるやろ？ハワイのお土産とか。」

ミヅキ：「あぁ、マカデミアナッツのチョコレートのやつ？」

母：「そうそう！昔、ミヅキちゃんもお土産で買ってきてくれたやろ？あんなやつがいいんよ。」

父：「ワシはグランドゴルフのチームの人みんなで食べれるように1個ずつ包んであるやつがええんよ。」

両親が買いたいお土産はなんとなく理解できた。とりあえず、お菓子を置いてるお店やね。

「KUSMI TEA（クスミティ）」

ミヅキ：「あ！クスミティがある！母さん、これにしたら？」

母：「これ、食べれるやつ？」

ミヅキ：「これは紅茶よ。『フランスのオシャレな紅茶』って日本でも有名なんよ。おしゃれな雑貨屋さんとかに売ってるやつだからきっと喜ばれるよ。」

父：「これはいかん！（これは駄目だ！）これはフランスのお土産じゃない！」

ミヅキ：「え？これ、フランスの紅茶なんよ？パリって書いとるやろ？」

父：「ちがう！こんなんじゃないんじゃ！」

母：「そうよ、これは違うわい。こんなんじゃダメなんよ！」

ミヅキ：「なんで？お菓子じゃないけんいかんの？（お菓子じゃないから駄目なの？）」

母：「違うんよ！これ、箱にフランスの写真が無いやん！」

ミヅキ：「え？写真？」

父：「ほうよ。箱にフランスとかスペインとかの写真がついとってフ・ラ・ン・スとか、ス・ペ・イ・ンとかって英語で書いとるやろ？」

母：「ハワイやグアムやったらヤシの木とか海の写真があってハ・ワ・イとかって書いとるやろ？ああいうやつじゃないとダメなんよ！」

ミヅキ：「なんで？」

母：「だって、それが書いてなかったらどこに行ってきたかわからんやん？」

ミヅキ：「そんなん口で言うたらいいやん、って言うか「ヨーロッパに行ってきたんよ」って言って渡したらいいやん。」

父：「そんなん、いかんのじゃ！とにかく写真が付いてないといかんのじゃ！」

なんと、両親が買いたいお土産はハワイのマカデミアナッツみたいなものらしい。一目で見てフランスのお土産とわかるようにエッフェル塔や凱旋門の写真が付いたパッケージに入っているお菓子を買いたいらしいのだ。そんなベタベタなお土産、こんなところには売ってないやろ、、、。

オシャレな店舗には無いからスーパーで探そう

クスミティは却下されてしまったし、仕方がないからスーパーのお菓子売り場で探すか、、、。スーパーに入ると、同じツアーの人がレジカゴに山のようにチョコレートやクッキーを入れている。

ミヅキ：「うわぁ！美味しそう♪お土産ですか？」

ツアーの人：「そうなんですよ！これ、美味しそうだからお土産にしようと思って♪」

海外旅行に慣れた人たちはスーパーで上手にお土産を調達している。

ミヅキ：「父さんたちもああいうお菓子にしたら？写真は付いてないけど、すごく美味しそうよ？ここはスーパーやから他のところよりも安いし、お得よ？」

父：「いかん、いかん、こんなんはいかん！写真が付いとるやつじゃないといかんのじゃ！」

母：「ほうよ（そうよ）。写真が無いと、どこに行ってきたかわからんけんね。」

ミヅキ：「でもねぇ、もう、ここで買わんかったら今日はもう船に帰るんよ？買うところ無いよ？」

父：「明日があるじゃろう？」

母：「明日やったらそんなお店に行くかもしれんよね？」

ミヅキ：「いや、たぶん行かんと思うよ？ここで買わんかったら、もう後は船の中か、、、後はドバイの空港ぐらいやろうけど、ドバイは乗り継ぎ時間が短かったら買う時間は無いけん、買えんかもしれんよ？買えんかったら困るやろ？」

母：「うん、それは困る。」

父：「絶対に買わないかんよ。（絶対に買わないといけないんだ）」

ミヅキ：「それやったら、ここで何個か買っといたら？」

父：「いかんいかん！これはフランスのお土産じゃないんじゃ！どこでも買えるやつはいかんのじゃ！」

私たちが買う、買わないと揉めているところに、モリオが向こうから歩いてきた。

モリオ：「ぐるっとスーパーの中を見てきたけど、ここには写真付きのお菓子とかは売ってなかったわ。」

ミヅキ：「そうなんや、、、なんかね、父さんたち写真が付いてなかったら買いたくないんやって。」

モリオ：「まぁ、それならしゃぁないやん。たぶん、明日も無いと思うけど。。」

バスの運転手さん

マルセイユで一番大きいショッピングモールに行ってあんなにたくさんお店があったのに、結局、何もお土産を買わなかった両親。明日だってきっとそんなお土産を売っているような場所には行かないだろう。一体、どうするつもりなんだろう。。。

バスに戻るとツアーの人たちは両手いっぱいに袋を下げて、たくさんの買い物をしている。そういえば、写真が付いたお菓子を探すことだけに夢中で、モールの中はほとんど何にも見れなかったな。両親もお土産に心が囚われて、きっとモールの中なんか何も目に入ってなかったに違いない。せっかく観光に来たのに、お土産でこんなに苦労するとは、、、。