旅行記 - 12月31日

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

目次

  1. 奥へと進む
  2. バオバブの木
  3. バオバブの実
  4. 木の上のマサイ族
  5. アカシアの実
  6. 火を灯そう

奥へと進む

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

ブッシュマンとマサイ族に連れられて、まだまだ茂みの奥の方へと進んでゆく。空は少し雲が多くなり始めてきたが、まだ晴れ間が覗いているので雨の心配はないだろう。さて、次はどんな所に連れて行かれるのかなぁ。


バオバブの木

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

ブッシュマンが大木の幹で足を止める。つぎのネイチャーガイドはこの木についてのことになるようだ。それにしてもこの大木、思いっきりアルファベットの文字が刻まれているw

ブッシュマン:「これはバオバブの木。この木はバオバブの木の中でもまだ若い。しかし、このバオバブの木というのは、年輪を持たない。だが、バオバブの木は、1年に約1cm円周が大きくなっていく。そしてこの木はだいたい10mの円周がある。さて、このバオバブの木の樹齢は分かるかな?」
モリオ:「えっと、1cmが1年だから、、10mは1000cmだから、、、1000年?」
ブッシュマン:「そうだ。だがこの木はバオバブの木としては若い。南アフリカには、世界最古の巨大なバオバブの木がある。その木を使って商売を考えた人間が居た。」
モリオ:「商売?」
ブッシュマン:「そう。彼は、そのバオバブの幹の中をくりぬいて、そこにレストランを作った。」
モリオ:「レストラン!?」
ブッシュマン:「そう。そしてレストランは大繁盛した。しかし、そのレストランはその後無くなってしまった。なぜだか分かるか?」
モリオ:「さっぱり・・・。」
ブッシュマン:「このバオバブの木は、昔の天災で下部分がえぐれてしまった。しかし、見て分かる通り、この幹は年月を掛けて再生したのだ。内側がくり抜かれたバオバブの木も同じく月日をかけて再生する。そう、その商人はバオバブの木の再生力の凄さを知らなかったのだ。だからレストランは無くなり、そのバオバブの木は再生し、未だに南アフリカの地に立っている。」
モリオ:「ほぉ、、、。」
ブッシュマン:「この話を、お前の妻に説明してくれ。」

再び、私のミヅキへの日本語ガイドが始まるw


バオバブの実

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

続いてブッシュマンが地面から拾ってきたのは、このバオバブの実。つまりバオバブのフルーツだ。この果実は、大昔からアフリカでは、食品として、薬として、そして日用品の原料として利用されてきた。最近ではEU圏では、利用価値が高く栄養価も素晴らしい「ノベルフーヅ - Novel Food」として認定したらしく、今後私達の生活の中にも登場してくるかもしれないので覚えておこう。このフルーツの表面は、毛羽立っていて触ると、ベルベット生地のような触感があって面白い。さすがにこの場面では食べることはしなかったが、噂ではグレープフルーツにも似た味がするのだとか。

また、マサイ族は、このバオバブの木を渡り歩いて遊牧生活を営んでいるらしい。なぜバオバブの木を渡り歩くのかというと、実はこのバオバブの幹には大量の水が蓄えられており、その水を生活の水として利用し、その水が無くなりそうになると、再び新しいバオバブの木を求めて移動していくのだそうだ。このバオバブの木は、マサイ族にとっての生命線でもある、というわけか。


木の上のマサイ族

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

さて再び場所を移動する私達。歩いている途中、口笛で私達を呼ぶような音がした。うん?と思い、音のした方に目を向けてみると。。。なんと、マサイ族のマラキが木の上に上っている(驚)。どうやって登ったのかは定かではないが、あんな不安定そうな木の枝に横たわって私達を見て笑うマラキ。彼らの運動神経はとてつもない、ということを伺い知れる場面だ。スゴいなホント。俺があんなとこに横たわったら、間違いなく下に落ちるw


アカシアの実

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

こちらはアカシアの木の枝。鋭い棘が木の枝から無数に飛び出していて見るからに痛そうだ。そこにたくさんの白い実が成っているのがわかるだろう。そしてよく見ると、その実には黒い穴が無数に空いているのも観察できる。これもブッシュマンが教えてくれたことなのだが、この実の中には小さなアリたちが住んでいる。蟻達はこの実の中を寝床にする代わりに、このアカシアの木に寄ってくる害虫たちからこの木を守っているのだとか。そうアカシアの木とこのアリたちとは持ちつ持たれつの関係があるのだ。また、この無数に空いた小さな穴のせいで、ここに風が吹くと、口笛のようなヒューーという音が鳴る。なので、この付近で強い風が吹くと、人の気配も無いのに口笛の音が聞こえる、というのだ。なんだか面白い自然現象だ。もちろんこの話もミヅキに日本語で説明し、次へとすすむ。


火を灯そう

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編40] ベルベット生地のような肌触りのバオバブの実

さて、私達は少し開けた場所へとたどり着く。再び日差しが照りつけるアフリカ・セルースのジャングル。ブッシュマン曰く「これから火の灯し方を教える。」とのこと。どうやら、木の枝と、木の板を使って、原始的な火のおこし方を教えてくれるようだ。