旅行記 - 12月31日

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

目次

  1. 魔法の木
  2. レモンのような香り
  3. ブッシュマン驚く
  4. イノシシの巣穴
  5. 黒檀の木
  6. 黒檀の枝とスチール製のナイフ
  7. 槍で突いてみる

魔法の木

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

この葉っぱの生い茂った木の前に立ったブッシュマンは、そこから一枚の葉を毟り取り、指でこすりつけて私に差し出す。どうやらこの葉の匂いを嗅いでみろ、ということらしい。


レモンのような香り

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

その葉を嗅ぐ私(モリオ)。香りは清々しいような、レモンのような、ミントのような、、、そんな香り。その香りを確かめつつ、ブッシュマンはこの木についての説明を始める。

ブッシュマン:「この木は〇〇。(名前忘れちゃった)この木の成分には、体に入った不純物を取り除く効果があるんだ。今はこの木は花の季節ではないが、その花や実を煎じてハーブティーにして飲めば、身体がクリーンになる。」
モリオ:「なるほど。」
ブッシュマン:「今の話を、お前の妻に説明してやってくれ。」

どうやら、ミヅキが英語を理解していないのをブッシュマンはちゃんと見抜いているようだw 私はミヅキに、今の話を日本語で説明し「OKだ」とブッシュマンに伝えると、再びネイチャーガイドが始まる。

ブッシュマン:「この木の成分は、体内のアルコールも消し去る効果がある。」
モリオ:「ほー」
ブッシュマン:「だから、お酒を飲み過ぎた時には、この木のハーブティーを飲めば身体はスッキリ元通りだ。お前たちは、週末、日曜日の夜なんかもお酒飲んで朝まで遊んだりするだろ?そんな時に。。。」
モリオ:「いや、日曜日の次の日は仕事があるから、朝まで遊ばないよ。」
ブッシュマン:「なんだとw」

ブッシュマン驚く

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

どうやら、日本人は日曜日の夜は次の日の仕事のことを考えてあんまり遊び倒さない、というのが意外だったらしく、ブッシュマンはそのことをマサイ族のカンガイにスワヒリ語で喋っているようだった。

ブッシュマン:「そうか、それは驚いた。欧州人は日曜日の夜も遊ぶのが当たり前なのだが、日本人は日曜日の夜は遊ばないのか。」
モリオ:「まぁ、、遊ぶ人もいるだろうけど、普通は次の日の仕事に備える、、と思う。」
ブッシュマン:「そうか、それはいいことだ。それでは次にいこう。」

どうやら、このリアクションが本当に意外だったようで、この魔法の木の説明は適当に終わり、私たちは次の場所に進んでゆく。きっと、日曜日も飲み過ぎて月曜日の朝しんどい時に、この木の力を借りればスッキリ仕事にいけるようになる、、、とか言いたかったのだろう。


イノシシの巣穴

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

続いてやって来たのはイノシシの巣穴。ここでもブッシュマンのネイチャーガイドが始まる。

ブッシュマン:「ここはイノシシの巣だ。だが、この巣は、イノシシの巣であってイノシシの巣でない。」
モリオ:「ふむ?」
ブッシュマン:「昼と夜とでは中にいる動物が違うのだ。昼は夜行性の動物が中で休んでおり、夜はイノシシが中で休む。活動時間がそれぞれ異なるため、こうした共存関係が成り立つのだ。人間は、ここは自分の土地だといって一定の場所を専有するだろう?だがこの野生の世界は違う。もっと賢いのだ。専有することがないから、無駄な争いも起きない。」
モリオ:「なるほど。」
ブッシュマン:「今の話をおまえの妻に説明してくれ。」

英語を聞き取りながら、それをミヅキに説明する私、モリオ。なんだか英語の分からない日本人旅行者と一緒に同行しているツアーコンダクターになったような気分だ(汗)。しかも私自身、ブッシュマンが話す英語を全て理解できているわけじゃないから、とにかく大変。だがまぁ、英語のトレーニングとしては良いのかもしれない。。。が、ブッシュマンの英語も結構聞き取りづらく大変なんだよなぁ。。。


黒檀の木

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

続いてやって来たのは黒檀の木の前。アフリカに広く分布しているアフリカンエボニーだ。黒檀といえば、その堅牢性により、古くから高級家具や楽器などに用いられてきた高価な木材。

ブッシュマン:「これはエボニー(黒檀)だ。アフリカの本当の民芸品は、このエボニーから作られる。空港に売っている土産物の彫刻があるだろう?だが、あれは中国製の安物だ。本当の黒檀の彫刻はぜんぜん違う。これから、本物の黒檀と偽物との区別の仕方を教えよう。」

黒檀の枝とスチール製のナイフ

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

ブッシュマンがミヅキに黒檀の木の枝と、それと同じぐらいの長さのスチール製ナイフを手渡す。

ブッシュマン:「どっちが重いか、妻に聞いてみてくれ。」
モリオ:「どっちが重いか聞いてるぞ。」
ミヅキ:「重さ?うーん、、、なんだか黒檀の木の枝のほうが重いなぁ。」
モリオ:「ほー、黒檀って重いのか。」
ミヅキ:「モリオも持ってみて?」

私も黒檀とナイフを持ち比べてみる。確かに黒檀の方が重い。

モリオ:「黒檀のほうが重い。」
ブッシュマン:「そうだ、本物の黒檀は重いのだ。」

槍で突いてみる

[北欧とアフリカを巡る年末年始の冒険旅行記:サファリ編39] 本物の黒檀(エボニー)の木。

続いてブッシュマンは私たちに一本の槍を手渡すと「あそこの黒檀の木の黒い部分を突いてみろ」と促す。ミヅキはその槍を、黒檀の幹の黒い部分に向かって突き刺す。

ミヅキ:「あれ?むっちゃ硬い。」
モリオ:「へー、どんな感じなん?」
ミヅキ:「なんか鉄の板を突いてるみたい。」
モリオ:「ほー、、、黒檀ってそんなに硬いのか。どれどれ。(コンコンと突いてみる)うわ、ホンマに硬いなこれ。」
ブッシュマン:「硬いだろう?これが黒檀の木だ。重くて硬い。この特性を知っていれば、土産物屋で偽物を買わないで済む。さあ、次に行こう。」

アフリカン・エボニーとはその希少性から、違法に取引されるケースも多く、現在、市場に流通させるには生産者の販売証明書類の提出などが義務付けられているそうだ。アフリカに原生する植物と、その特性を説明していくネイチャーガイド的ブッシュウォーキング。次は何を紹介してくれるのか、おもしろくなってきた。